外にいる猫はすべて「回収」されるのか?—イエネコ防除推進外来種指定に思うこと

保護猫の迎え方•里親学

「飼い猫であっても、外にいたら回収対象になるのではないか」 最近、そんな不安の声や議論を耳にする機会が増えました。

環境省による「イエネコ(飼い猫)」の防除推進外来種リスト案。

この動きに対し、多くの愛猫家や保護活動者が危機感を抱いています。

私自身、これまで60匹以上の保護猫と向き合い、命を繋いできた者として、この現状をただ静観することはできません。

今日は、今話題となっているこの問題について、私自身の考えを整理して書きたいと思います。

1. この「管理・排除」の進め方には反対です

まず、声を大にして言いたいのは、この「外にいる猫を排除・管理しようとする姿勢」には反対であるということです。

もちろん、外猫が野生動物に与える影響や、近隣トラブルへの配慮が必要なのは理解しています。

しかし、その解決策として「外に出ている猫を回収する」というような、命を安易に切り捨てるような方向性はあまりにも短絡的です。

命を管理対象としてリスト化する前に、行政がやるべきことは他にあるはずです。

猫が外に出ざるを得ない状況そのものをどう改善するのか。

そこに寄り添わない「外=悪」というレッテル貼りは、悲劇を増やすだけであり、本当の意味での「愛護」とはかけ離れていると感じます。

2. なぜ、このような議論が生まれたのか

では、なぜ今このようなことになっているのでしょうか。

背景には、生態系保全と、動物愛護という二つの相反するテーマが複雑に絡み合っている現状があります。

環境省としては、外来種による生態系被害を防ぐという大義名分がありますが、それが現場の猫たちや、彼らを大切に思う飼い主の気持ちと乖離してしまっているように思います。

また、行政側が「飼い主のいない猫」の引き取りを拒否するようになり、管理責任を住民や個人に丸投げしてきた結果、地域で猫を適切に管理できないケースが増え、結果としてトラブルが深刻化しているという側面も否定できません。

行政が猫を「生きている存在」ではなく「防除すべき対象」としてしか捉えられなくなっていることが、今回の危うい議論の根本原因だと考えています。

3. 私たちは、今後どう気を付ければいいのか

では、私たち飼い主や保護活動者は、どう守っていけばいいのでしょうか。

まず、最も基本的で確実な防衛策は「完全室内飼育の徹底」です。

外には交通事故や感染症、そして今回のような「行政による管理リスク」という脅威があふれています。

猫の命を守るためには、家の中をいかに快適で安全な環境にするかが鍵です。

そして、外に猫を出さざるを得ない事情がある場合や、地域猫として見守る場合には、以下の3点を徹底する必要があります。

  • 所有明示: 首輪や迷子札、マイクロチップを必ず装着する。
  • 避妊・去勢の徹底: 繁殖を防ぎ、無用なトラブルを避ける。
  • 地域での対話: 周囲に迷惑をかけていないか常に気を配り、地域の方々と良好な関係を築いておくこと。

「外にいるから」という理由だけで、大切な家族が奪われるようなことがあっては絶対にいけません。

私たちは、自分たちの手で、愛猫を室内という安全な城の中に守り抜く必要があります。

60匹の命と向き合ってきたからこそ、確信を持って言えます。

猫が安心して一生を全うできるのは、守られた室内です。

そして、その命を脅かされることのない社会を、私たちは声を上げて作っていかなければなりません。

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