「愛猫が甘えてきて可愛い!」と思っていたら、突然あたりに漂う生魚やイカが腐ったような強烈な激臭……。
実はそれ、猫の「肛門腺(こうもんせん)」から分泌された液の仕業かもしれません。
普段はあまり意識しない場所ですが、放置すると病気に繋がることもある大切な器官です。
今回は、猫の肛門腺の仕組みから、臭い液が出る理由、役割をプロの視点で分かりやすく解説します!
1. 猫の「肛門腺」とは?あの激臭の正体
猫のお尻の穴のすぐ下(時計の針でいうと4時と8時の方向)には、「肛門嚢(こうもんのう)」という小さな袋が左右に1つずつあります。
この袋の中にある分泌腺が「肛門腺」です。
ここに溜まる分泌液は、猫にとって大切な「身分証明書(名刺)」のような役割を持っています。

【分泌液の特徴】
- 色・状態: サラサラした液体から、ドロっとした茶色・黒っぽい泥状まで個体差がある
- ニオイ: 魚が腐ったような匂い、イカの塩辛のような強烈な激臭
- 役割: 排便時にウンチと一緒に少しずつ出たり、縄張りの主張(マーキング)に使われたりする
2. なぜ?ウンチの時以外に「クサイ液」が出る理由
通常はウンチと一緒に自然と排出されますが、それ以外のタイミングで液がピピッ!と飛び出してしまうことがあります。主な原因は以下の3つです。
① 嬉しすぎて大興奮したとき
飼い主さんに甘えてテンションが最高潮に達した時や、嬉しくてゴロゴロが止まらない時、お尻の筋肉(括約筋)がキュッと締まった拍子に、勢いで漏れ出てしまうことがあります。
② 恐怖やパニック、びっくりしたとき
大きな音がして飛び上がった時や、動物病院で怖い思いをした時など、強いストレスや恐怖を感じると交感神経が急激に働き、袋が収縮して中身が飛び散ります。
これは野生時代の「敵を驚かせて逃げるための自衛本能」の名残りでもあります。
③ 自力で排出できずに溜まっているとき
体質的に液がドロドロしていたり、高齢になって踏ん張る筋力が落ちたり、下痢や軟便が続いてウンチと一緒に押し出せなかったりすると、袋の中に液がどんどん溜まっていきます。
限界まで溜まると、ちょっとした拍子に溢れ出てしまいます。
3. 放置は厳禁!「肛門嚢炎」のリスクと見極めサイン
多くの猫は自力で排出できるためケアは不要ですが、「自力で出せない体質の猫」を放置すると、袋の中で細菌が繁殖して「肛門嚢炎(こうもんのうえん)」を引き起こします。
最悪の場合、袋が破裂してお尻の皮膚に穴が空き、大手術が必要になることもあります。
愛猫が以下のようなサインを出していたら、お尻が気持ち悪い・痛い証拠です。
すぐに対処してあげましょう。
⚠️ 要注意!お尻のSOSサイン
- 床にお尻をこすりつけて歩く(お尻歩き)
- しきりにお尻の穴のまわりを舐めている
- お尻に触ろうとするとひどく嫌がる・怒る
- お尻のまわりが赤く腫れている、血や膿が混じった液が出ている
4. 自宅でできる「肛門腺絞り」の正しいやり方
お尻歩きをするなど、液が溜まっているサインがあれば「肛門腺絞り」をしてあげましょう。
頻度は月に1回程度が目安です。(※全く溜まらない猫はやる必要はありません)
【準備するもの】 ティッシュペーパー、またはペット用ウェットティッシュ(飛び散り防止のため多めに)

◆ 肛門腺絞りのステップ
- 猫を保定する: 猫の後ろ側に回り込み、脇を抱えるか、誰かに抱っこしてもらう。
- 位置を確認する: 尻尾を真上にグッと持ち上げ、お尻の穴の下、「4時と8時」の位置を親指と人差し指で軽く触る。溜まっていると、コリコリした小豆のようなしこりを感じます。
- ティッシュを当てる: 液が飛び散るのを防ぐため、お尻全体を厚めのティッシュで覆います。
- 下から上へ押し出す: 4時と8時の位置にある袋を「下から上(お尻の穴に向かって)」に向かって、つまむように優しく押し上げます。
成功すると、ジュワッと茶色い液がティッシュに染み込み、強烈なニオイがします。
終わったらお尻を綺麗に拭いてあげましょう。
💡 コツと注意点:
無理に強い力で押すと、袋が傷ついたり痛がって二度と触らせてくれなくなります。「力を入れても出ない場合」や「すでに赤く腫れている場合」はすぐに中止し、動物病院で絞ってもらってください。
獣医さんやトリマーさんにお願いすれば、数百円〜数千円で安全に処置してもらえます。
まとめ:愛猫のお尻の健康もチェックしよう
猫が嬉しいときやびっくりしたときに放つ強烈なニオイは、病気ではなく生理現象であることがほとんどです。
しかし、愛猫が自分でお尻をコントロールできずに不快な思いをしていたり、炎症を起こしかけているサインの可能性もあります。
日頃からスキンシップを兼ねて、お尻の様子(腫れやニオイ、歩き方)を優しくチェックしてあげてくださいね!



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