60匹もの保護猫と向き合ってきた中で、これほど悔しく、やりきれない思いをしたことはありませんでした。
これまで多くの命を繋いできましたが、今回は行政の対応という大きな壁の前に、小さな命を救うことができませんでした。
なぜこのような結果になってしまったのか。
今回は、事実として何が起きたのか、そして今後同じ悲劇を繰り返さないために何が必要なのかを、整理してお伝えしたいと思います。
事の経緯
7月3日 19時頃
子猫の里親さんになってくれた方から連絡を受けました。
「職場の人が道路に倒れていた子猫を保護したけど、頭や体に怪我をしていてどうすればいいかわからず警察に相談して、今は公的な機関としての愛護センターに預けることになった。センターの方からは、このままでは長くないかもしれない。でもうちでは治療や手当は行わない。」
なんだそれは!!?と思いましたが
保護主さんもその時点で憤りを感じたらしいのです。しかしそれ以外の手段がなく預けたとのことでした。
7月3日 21時頃
保護主さんと電話でお話しすることができました。
「今すぐにでもその子を何とか引き取って動物病院に連れていけないか」と相談しましたが、
「センターはもう閉まっていて次に開くのは月曜日。それまでは生きてくれていることを願うしかない」という絶望的な回答。
その日にできることはもうなく、いつもお世話になりまくっている動物病院の先生に事情を説明し、月曜日にその子を受け取り次第すぐに連れて行くから診てほしいとお願いをすることが精一杯でした。
7月6日 9時頃
保護主さんがセンターに問い合わせて、引き取り次第すぐ病院に行けるようにスタンバイしていました。
しかし、保護主さんから届いたのは悲しい連絡でした。
「子猫ちゃんは亡くなっていたそうです。」
「……そうですか」
正直、嫌な予感はしていました。
怪我をして命が危ない子猫が自分でごはんを食べられるわけがないですし、土日の2日間センターは閉まっているので、お世話されていたのすら怪しい。
治療や手当はしないと言い切っていたことからも、おそらく放置されていたのではないか……
そう思うと、悔しさで胸が締め付けられます。
保護主さんは今回の事についてひどく落ち込んでいたので、「助けようとしてくれたことだけでも素晴らしい事ですし、その行動に感謝しています。どうか気に病まないでください」とお伝えしました。
今回の件について
私は、野良で生きている猫たちにはその世界の掟があると考えています。
容易に人間が手を出すべきではないですし、手を出すなら最後までその責任を果たすべきだとも思います。
重症の子猫なら、様々な治療や入院が必要になり、お金も時間もかかります。
その費用はどこから出るのか。
助かったとして、その後はどうするのか。
里親を探すにしても誰が担うのか。 見つかるまでの間お世話をするのはだれ?
などなど問題は様々あります。
残念ながら自分では責任が持てないからと、見て見ぬふりをするのが現実です。
子猫の命を見なかったことにするのも、救おうとするのも、どちらも人間側のエゴかもしれません。
ただ、今回の保護主さんのように後先考えずに保護してくださる方は稀ですし、その行動力は本当に素晴らしいものです!
なんとか救ってあげたかったですし、もう少し対応が違っていれば何とかなったのかもしれないと、今も胸をぐさぐさ刺されているような思いでいっぱいです。
動物愛護センターって何なんでしょうか。
どの辺が「愛護」なんですか?
命を救うための場所が、ただ命を待機させるだけの場所になってしまっている現実に、強い憤りを感じます。
もし、センターが一時的な保護と治療・譲渡を迅速に行える組織に変われたら。
もし、保護主の善意を否定せず、連携できる仕組みがあれば。
救えるはずの命が、どれほど多く守られるだろうか。
今回の件で強くそう思いました。
60匹以上の保護猫を育てて里親さんへ繋いできましたが、こんな思いをしたのは初めてです。


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